カニを食べるときに気を付けたいのが甲殻類アレルギー。
初めて食べる子供に限らず、今まで平気で食べていた大人でも突然発症することもあります。
今回はカニ好きにこそ知っておいてほしい甲殻類アレルギーについてまとめていきます。
甲殻類アレルギーとは?
甲殻類アレルギーとは、エビ・カニをはじめとする甲殻類に対してアレルギー反応が起こり、食後1時間以内に体に以下のような症状をきたすことを言います。
甲殻類アレルギーと名前が付いていますが、タコ・イカ・ホタテなどの貝類・カニカマなどを食べても同じような症状を起こすことがあります。(原因物質が同じトロポミオシンであるため)
- 皮膚の発赤
- 蕁麻疹
- 腫れや痒み(皮膚・口の中・喉・唇・耳・目など)
- 下痢
- 吐き気、嘔吐
- 腹痛
- 頭痛
- 目の充血
この他にもエビやカニを直接手で触ったり粉末を吸い込んだりするだけで症状が出ることもあるようです。
また、最悪の場合アナフィラキシーショックを起こして呼吸困難になり、死に至ることもあります。(甲殻類アレルギーは症状の出方が激しい、とよく言われます)
一般的に卵・小麦・牛乳の3大アレルギーは乳児のころに発症しやすいぶん、成長とともに平気になるケースが多いのですが、甲殻類アレルギーはその逆で、小学生ごろにもっとも発症しやすく、大人になっても治らないことがほとんどです。
また、子供のころは全然平気だったのに、大人になってからある日急にアレルギー反応が出た、という人も珍しくありません。特に甲殻類アレルギーは大人が持つアレルギーの中でも最も患者数が多く、65人に1人が甲殻類アレルギーだと言われています。
甲殻類アレルギーに限らずですが、アレルギー症状を緩和するお薬はあっても、アレルギー自体を根本的に治す薬や治療方法というものは残念ながらありません。
食物アレルギーが判明したら、食生活などに気を遣いつつ、時には薬を使って自分でうまくコントロールしながら付き合って行きましょう。
甲殻類アレルギーを発症したときの応急処置
まずは症状がどの程度の重さであるかを見ます。
皮膚の赤みやぶつぶつが出ていたりしていても本人に元気があって呼吸が正常である場合、慌てず車で病院に向かいましょう。このとき口の中にまだ原因となる食べ物が残っていたら口をゆすいでから行くと良いでしょう。
万が一、アナフィラキシーショックを起こして呼吸がおかしくなっている時は早急に救急車を呼びます。
また、このアナフィラキシーショックの場合にはエピペン注射というものが役に立ちます。注射の中身はアドレナリンで、緊急時にこれを太ももに打つことで、一時的に気管支を広げて呼吸を確保する役目を果たします。エピペンはアナフィラキシーを起こす可能性がある人なら誰でも医師から処方を受けることができます。(保険適用内です)
アレルギーの検査方法、検査費用
自分がなんのアレルギーなのか知りたい、もしかしたら○○のアレルギーかもしれない、と思ったらまずはアレルギー検査を受けてみることをおすすめします。
アレルギー検査は内科もしくは皮膚科、子供なら小児科に行き、「アレルギー検査をしたい」という旨を伝えるとどの項目(食品や植物)を検査したいのかを聞かれるので、今回の場合だと「甲殻類」を選択します。
検査では【血液検査】【パッチテスト】のどちらかを行います。
血液検査ではアレルゲンを摂取したときに作られる”IgE抗体”の数値を見て、通常よりも数値が高ければアレルギーがあると判定します。パッチテストでは皮膚にアレルゲンの原因物質を一定期間貼り付けて、皮膚になんらかの異常(赤みや発疹)が出るかを確認します。
検査費用は病院ごとに多少の違いはありますが、3割負担でおよそ5000円~8000円の間くらい。検査項目がよっぽど多いという事でなければ1万円未満で済むケースが多いようです。